今回紹介するのは、学生がビジネスを実践する長期プログラム『アキナイベース』で用いた屋台です。
工事は2017年の9月の二日間のみで行われました。
オーナーは当時大学三年生の佐々木君(宮城大学)です。
大学生が、ビジネスを通し自らの学びを実践する場を作りたいという思いから『アキナイベース』を立ち上げた佐々木君。
今回は、プログラムとして学生を募集する前に、まずは自分が屋台でビジネスをしたい!ということで、DIOで屋台(通称0号機)製作を行いました。
初の出店となる『定善寺ジャズストリートフェスティバル』まで時間が限られる中、直前の二日間で佐々木君と私達が一緒に屋台を作り上げました。
そして完成した屋台による『定善寺ストリートジャズフェスティバル』と『GREEN LOOP仙台』への出店を経て、現在は多くの学生が参加するプログラムへと進化しています。

『アキナイベース0号機』のDIO工事について、佐々木君のアキナイベースにかける思いと一緒に紹介していきます。
佐々木君のアキナイベースに掛ける思い

大学に入り、専門的な知識を学んでいた佐々木君。最初こそ今まで知らなかった世界を見ているワクワク感があり学びを楽しめていた佐々木君ですが、ある時から疑問を抱き始めたそうです。
「このマーケティングの授業って、学んでるだけで実践してないな。これ、社会出た時に私マーケティングできます!って言えるのかな」
それと同時に、仙台には東北各地そして全国から学生が集まっており、それぞれが専門的な学びをしている。なのに、4年間を学科内の学生としか交わることができないことに歯がゆさも覚えたそうです。
学生が学びを実践できるフィールドが欲しい。
そしてその学びを共有し、地域とも繋がれる機会が欲しい。
そのような思いから立ち上げられたプロジェクトが、『アキナイベース』でした。
「学生がビジネスを通して、自分の学びを活かし、共有しそこから再び学びが生まれる。このサイクルを学生同士で自発的に生まれる仕組みが最も価値あるのではないかと思います。大学の外に一歩飛び出てみたら、今までに見たことない世界が広がっている。そんな、ワクワク感をアキナイベースを通じて仙台そして東北中に広めていきたい。」と佐々木君は熱く語ってくれました。
0号機とは
そんな思いからプログラムを立ち上げた佐々木君。
ですが、まず自分達でチャレンジしないと何もわからない。そんな考えから、アキナイベースのパイオニアとして『0号機』を作成し、出店することを決意しました。
元々バーでアルバイトをしており、外でお酒を売ってビジネスをしてみたかったという佐々木君。この機会にそんな思いを実現しようと、仲間と費用を出し合い、屋台製作と仕入れを行いました。
初めは自分達だけで屋台を作ろうと考えていた佐々木君ですが、工具も握ったこともなければ角材の名前もわからないという状況でした。
クォリティが高いのが良い!
でも自分でも作りたい!
そのどちらにもこだわりたかった佐々木君は、2つの欲求を同時に満たせるDIO工事を選択しました。
設計と買い出し
まず最初に、teamDIOと佐々木君で一緒に屋台の設計・資材の買い出しを行いました。


「組み立て・解体して持ち運びが簡単な屋台にしたい」という佐々木君の要望を、忠実に再現した設計となりました。
屋台製作のDIO
そして遂に工事が始まりました。

佐々木君の友人にもお手伝いして頂き、皆で工事を進めていきました。

工事の中で、テーブルの下を収納にするアイデアなども浮かび、それをその場で作り上げていきます。
塗装と装飾
屋台の塗装はシックな黒がメイン。看板やイラストも現場で検討を重ね、出来上がりました。


アキナイベース0号機、完成!!

そうして、2日間の工事期間を経てアキナイベース0号機は完成しました。工具もほとんど握ったことのない佐々木君でしたが、自分の思いがその場で、自分の手で実現されていく実感があり、楽しくDIO工事に取り組めたそうです。

オシャレな外装と高い機能性を持った屋台が完成しました。
アキナイベースのその後とこれから
0号機での出店を経て、2017年の10月~翌年3月にかけて、本格的にプログラム(1期)が展開されました。
仙台の5大学から16名の学生が参加したアキナイベース。自主的にマーケティングを行ったり、現地視察に赴くなど、活動的な学生が集まりました。

0号機で出店した際と異なり、参加学生を指導し、導く立場となった佐々木君。改めてその大変さや、個々人との関わり方の難しさなどを実感したそうです。
これからアキナイベースは2期が新しく始まります。
「まずは、1期のプログラムの課題を改善すること。そして、学生の「起こす」が増えるように、1期の運営から2期へと引き継ぎつつ新たなアキナイベースを創る必要があると思います。学生が地域と関わることの意義を強く感じたので、次はしっかりと根付かせるためにも頑張っていきたい。」と佐々木君は語ります。
