今回紹介するのは、宮城県石巻市のcafe 蓮です。
発起人は、オーナーシェフの齋藤さん。地元石巻出身で、国内外で修行を重ね、震災以降石巻に戻り、ヘルシーなごはん屋さんとして、cafe 蓮をオープンしていました。隣の駄菓子屋と貸衣装屋が空いたので、ベーカリー(菓子工房)とイートインのスペースを増築したいと工事が始まりました。

DIO前の、建物や立地
cafe 蓮があるのは、宮城県石巻市富貴丁通り。昔から羽黒山鳥屋神社の裏参道として栄えており、当時の地主さんが非常に豪儀な方で、腕のいい大工さん、職人さんを集めて、通りの両側に何軒もの長屋を、意匠を競って建てさせたのだそう。現存しているのは、cafe 蓮の建物と隣の2棟のみ。築100年ほどの木造長屋を改修、DIOすることになりました。
DIO開始!

発起人の「自分たちでやりたい!人に頼んで、あーでもない、こーでもない、とは言いたくない。なら、自分たちで作っちゃおう!!」という想いから、DIOスタート!
Cafe × Bakery × Eat in の2棟3つのスペースがひとつに見える、感じてもらえるようブランディング。
外観では、遠くからでも目立つよう道路に直行して色を変えた同じデザインの3つの旗を設置、各窓には各々のアイコンをつけ、イメージしやすいようにしました。
内装では、3カ所とも正面の壁の色を統一。そこにロゴを設置して、目が行くようライティング。それぞれのカウンターの板も4種類の杉板を並べることで、統一感を出しました。
壁の統一された薄緑色は、スタッフの娘さん(美術科に通う高校生)が調合した、世界にここにしかない色。実は1度塗ったのですが、発起人の「なんか違う」の一言で、塗り直したこだわりの色です。

ベーカリーのカウンターを作るときに、スタッフの一人が板の裏に願い事を書き出し、みんなが真似し出しました。願いが叶っているという話も。

こんなのを作りたいと発起人が自ら材料を買ってきて、スタッフが居残りで教えたり、次の日現場に来ると棚が出来ていたりとこちらが驚くほどでした。

完成!!


「うわー、完成した!というより、違和感がない」の一言。それだけ、工事の中心だった。願いを形にできたということだと、私たちは嬉しく思います。やっているうちに話が変わって申し訳なかったとも言っていましたが、それだけ心を開いてくれ、一緒に形にしたということです。
今回のcafe 蓮は、ランチ営業をしながらの工事でした。2ヶ月間、美味しいランチを頂戴することもあり、にっこり顔のDIOスタッフ。ぜひ、美味しいランチ、パン、スイーツを食べに行ってみてくださいね。